コンサルタントの課題認識と解決策:あおり運転

最近世間を騒がしている”あおり運転”。この”あおり運転”をした人が一方的に悪い...的な論調しかないので、ちょっと違和感を感じている。おいり運転をした人が悪いにきまっているが、あおり運転をされた人にも、何等かの原因をつくっていなかったのか...。この点が不明のまま、あおり運転した人がけが悪い...。ちょっと偏った報道におもえる。
この問題には明快な解決策はないが、根本的な原因を探らないと、解決策も見い出せない。問題点を真正面から向き合わないと、解決策も検討できない。ただ単に、あおり運転が悪いだけでは...。
では原因・問題点は何だろうか?大きく分けて3点に分けられるのではないだろうか。
①日本の道路の構造上の問題点
②制限スピードの低さの問題点
③あおり運転をされる側の問題点
④あおり運転をする側の問題点
重ねて云うが、④が一番悪いという事には変わりがない。

 

①日本の道路の構造上の問題点:
高速道路の様に、複数車線があれば、遅い車を追い抜かす事ができる。幹線道路や都心の道路は複数車線がある事が多いので、遅い車があれば、追い抜かせば良いだろう。問題は、片道1車線しかない道路が多い事だ。、町中の道を広げる場合は、多くの建物の立ち退きを伴い、難しい問題であり、難しい面があり、都市計画の作成を経て、何年もかけて道を広げている。一方、郊外(田舎)の道路の場合、改善の余地はあるのではないだろうか。

 

郊外、または田舎をつらなう基幹道路で、片側1車線の道路が沢山ある。追い越し可能な道であれば問題ないが、追い越し不可の道が多い。そんな道でペースメーカの様な走り方をしている車が多くある。その車の前はガラガラで、その車の後に沢山の車が連なっている事が多々ある。そのペースメーカは重たい荷物を積んだトラックであったり、自動車の運転の力量が劣っている人であったりする。この場合、社会としては受け入れる必要があり、これらの人に”運転するな”とは言えないし、言ってはいけない

 

問題点は、片側1車線の追い越し禁止の道路が何十キロも続いている事にある。何キロか毎に、追い越し車線または譲り合い車線を作る事が必要ではないだろうか...。少なくとも国道レベルでは、これを条件とすべきではないだろうか。

 

②そもそも、日本の道路の制限スピードは低すぎる。日本で40Kmの道路は、アメリカでは35Mile(56Km)、ヨーロッパでは、50~60Km程度ではないだろうか。イギリスへの出張で郊外を走っていた時に、日本では50Km程度の道路で、制限速度が100Kmだった事があり、70Kmを出すのが限界だった所があった。これは例外としても、日本の制限速度は低い感じがする。日本では何かと事なかれ主義が横行していて、制限速度も必要以上に低くおさえられている感がある。このストレスを感じる低速度で運転すると、かえって問題ではないだろうか?または日本人全体の運転技術が低いとかんがえているのだろうか?

 

自分が一時生活をしていたアメリカでは、制限速度でストレスを感じた事は少ない。街中では35Mile(56Km)で、郊外にでると45Mile(72Km)になり、田舎道になると、55Mile(88Km)で走れる。日本とアメリカとでは道路事情と生活環境がかなり違うので、流石にい田舎道と云えども55Mileはムリとしても、制限速度が60~70Kmの道路が有ってもよいのではないだろうか?(ごく一部では70Kmの道路があると聞いているが...)

 

③あおり運転をされる側の問題点:
自分は数年アメリカで生活していたのだが、車の運転に関するマナーにおいて、日本とUSとで以下の点で大きな違いがある。正直、日本のドライバーのマナーは欧米の先進国と比べて劣っていると云える。(東南アジア諸国よりは良いが...)
USで郊外を運転している場合、ゆっくり走っている車は後続から早い車がくると、減速して端により、後続車に先に行く様に促すケースが多々ある。一方日本では、この様なケースは少なからずあるが、USと比べるとかなり少ない。何故日本のドライバーの多くは、後続車に譲る事をしないのだろうか?自分が運転する車の前はがら空きなのに、後ろに沢山の車が連なっている状況をなんとも思わないのだろうか?

 

また、高速道路で追い越し車線をゆっくり走る車が多い。遅い車は左側の車線を走るべきなのだが...。3車線ある高速道路で真ん中の車線をゆっくり走る車が本当に多い。これも問題ではないだろうか?不確かな情報ではあるが、ドイツでは追い越し車線をゆっくりと走っていると、罰則が与えられると聞いた。これが本当かどうかしらないが、ドイツのアウトバーンを走った時、追い越し車線をゆっくり走っている車はほぼ全く居なかった。
この点については、自動車教習所での教育と、社会全体の意識を変えていく必要がある。日本のドライバーのマナーは、他の先進国と比べると全般的に悪い事を認識すべきだと思う。

 

④あおり運転をする側の問題点:
小さな子供がおもちゃの取り合いで喧嘩する事がよくある。おもちゃを独占し、自由に使いたいのだろう。これと同様に、精神的に幼稚な大人にとって、自動車はおもちゃと同じで、自分の思い通りにならないと、キレる人がいる。何を隠そう、自分も若干このきらいがあるが...。
あおり運転は良くない行為であり、事故につながる場合もある。今後、罰則を強化すべきではないだろうか。

 

あおり運転は、あおり運転をする側だけでなく、あおり運転をされる側にも若干の問題がある事が共有された上で、①の問題がない場合は、あおり運転をする人を厳しく罰する必要がある。それで、最近かなり装備されているカメラの搭載は、③と④の問題を両方把握する上で、大変重要なツールとなるであろう。